【定点調査】当社介護職コミュニティを対象に給与実態・満足度を独自調査!

75.6%が「賃金に不満」
人間関係・職場環境の改善を求める声も多数

ストレス対処法は「我慢」が主流。利用者の「ありがとう」も意欲に

介護領域に特化した動画・SNSメディアを運営する株式会社カイゴメディアでは、当社運営YouTube『ケアきょう』コミュニティと同Twitter・Instagramを活用し、介護職従事者へ向けて就労状況のアンケートを実施いたしました。男女295名の現役介護職のリアルな給与事情などの調査結果をご紹介いたします。

2021年8月 介護職実態調査「給与と満足度」定点観測01

『ケアきょう』コミュニティには、介護福祉士(国家資格)保有者7割強、7割以上が3年以上経験の中堅・ベテラン層の介護職人材が集う!

“介護現場のリアル”がここに在る。

厚生労働省は7月に介護職員が2025年度に32万人不足するとの推計を発表しており、介護需要に対する人材の確保が一層課題として浮彫りとなりました。
早期の解決策が求められる介護人材不足において、働き手への報酬や待遇について実態を知るべく当社では自社運営各種コミュニティを活用し独自の調査を実施致しました。

※調査方法:当社運営YouTube『ケアきょう』コミュニティおよび同Twitter・Instagramを介して介護職従事者295名の男女にアンケート調査を実施

回答した介護職従事者の回答者属性は、以下の通り。

  • 職種・役職 :76.3%が現場業務の介護職、次いで16.9%がリーダー職
  • 資格 :76.3%が介護福祉士(国家資格)の有資格者。
    その他資格としては、初任者研修修了者、実務者研修修了者が中心。
    資格を持っていないと回答した方は8.1%とわずかな状況
  • 経験年数 :10年以上の経験者が36.9%ともっとも多い。3年以上経験者で全体の80%超
  • 雇用形態 :86.4%が正規職員。パート職員は10.5%
  • 勤務シフト :フルタイムが83.4%。日勤のみが13.9%。雇用形態の正規・パート職員比率とほぼ相似
  • 性別 :58.6%が女性と、女性中心

介護現場の給与の実態とは?
75.6%が今の賃金に「不満」、「満足」は10%にも満たない状況

月給では「15~20万円」がもっとも多く29.8%、次いで0.3ポイントの僅差で「20~25万円」が29.5%となっています。

大きく分類すると、「25~35万円未満」の相対的に収入の高い層は、全体の25.1%。
一方で、59.3%という過半数が「15~25万円未満」の層にあることがわかりました。

さらに年収で見ると、一層の細分化が見られ、「250~299万円」が20.7%ともっとも多く、「300~349万円」が19.7%、「200~249万円」が14.2%と続きます。
「400~449万円」と回答した9.5%と「100万円台」と回答した9.2%とでは大きく差があるなど、賞与の有無などが影響していることが想像できます。

このように月給や年収で見ると、傑出したボリュームゾーンは不在ながら、報酬に対する満足度を尋ねたところ、「不満(42.4%)」と「少し不満(33.2%)」を合わせた75.6%もの回答者が不満足であることがわかりました。

なお、「普通」と回答した14.9%を除くと一定の満足度を感じる声は、10%に満たず、非常に希少という結果となっています。
依然として給与待遇の向上が望まれます。

不満の原因とは?
「いきなりリーダー・重責」「経験年数が、昇格・昇給に繋がらない」という実態

不満の原因を探るべく、さらにアンケート分析をしたところ、新たな2つの傾向が見えました。

その一つは、経験年数が短くても、リーダー職になっている方がいる状況がありました。
現在リーダー職に就いている方のうち、10%が経験年数5年未満という結果が分かりました。
介護現場の中堅人材不足が原因で、早くからリーダー職に抜擢をされ、精神的な負担になっている可能性がうかがえます。

次に、経験年数が必ずしも、昇格・昇給に直接的に結びつているわけではないという状況がありました。
10年以上の経験がある方でも、月給(額面)が「15~25万円未満」のゾーンに該当する方が49.6%という結果になっています。

お金・給与以外のストレスも多く存在。
何よりも「人間関係」の改善を求める声が多数。現状は「我慢」せざるを得ない状況

さらに、介護職の不満の原因を探るべく、任意の回答者数十名にヒアリングを重ねた結果、一部の意見では給与待遇のみならず、働く環境、人間関係などの向上を望む声も根強く、そうした面も併せた環境改善を望む声も現場からあがりました。

人間関係のストレスは、上司同僚だけでなく、利用者や家族といった方々とのやり取りの中でも生じることが分かりました。
それらのストレスを抱えた際も、現在は、気持ちを「切り替える」やなんとか「我慢する」といった消極的な姿勢を取らざるを得ない現状がうかがえました。

利用者の「ありがとう」が意欲に

こうした状況にあっても、「介護の仕事をするモチベーションは?」の問いには、ご利用者・ご家族からの「ありがとう」という感謝の言葉やねぎらいを挙げる方が多く、また、ご利用者がリハビリによってできることが増えていく姿に励まされるなどの声もありました。

これらを踏まえると、給与・待遇の向上といった施策はもちろん、働く環境の改善、そして、介護職自身が仕事の社会的意義を実感、手ごたえを感じられるようになることが、非常に重要だと考えられます。

私たちはこれからも介護職が仕事にやりがいを感じられるような動画・SNSメディア、コミュニティを目指します。
また、このような独自調査を続け、介護現場とそこで働く方々の持つ課題を共に考えてまいります。